悲しみで心はいつも半分濡れている。

 

毎朝 ポストを見て

出してもいない手紙の返事を待つのが

私の幸福です

 

私の幸福は

ここになくていいと思う

遠くにあってほしい

感じれただけで

それで

 

毎晩 テレビを見て

何気なく笑ってしまった声が響いたのが

私の悲しみです

 

 

悲しみで心はいつも半分濡れている

幸福な心は増えるたび 少しずつ湿てゆく

 

片方しかない靴下が私です

家にあるはずの

もうひとりの靴下は

どこで

埃をかぶっているのだろう。