2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

夜をやり過ごす時間

深夜。 この街を脱走したくなりませんか? 目的地はどこでもいいんですが、 例えばファミリーレストランでいいんですが、何からの脱走か分からないんですが、 まぁまぁ仲のいい友達を途中で誘ってですね。互いに本とか持っていったりして(もちろん読みかけの…

栞と文庫

栞ほどの悲しみを 文庫本ほどの幸福に 挟みながら暮らす 幸福を読み始めるごとに 悲しみを抜き取る その栞をなくしてまうと、 どこまで読んだか分からなくる 残りの幸福の時間を時々見失う 幸せはいつもポケットに入っている 君と半分にする予定の饅頭や 帰…

断水中の営業時に思ったこと

暇は余すときに余しておく 金は使えるときに使っておく 酒は飲めるときに呑んでおく 時間に無駄遣いという瞬間はないのだから 本は読まなくてもいい 読まれなくたっていい そう読まなくてもいいし また、読んでもいい。 本はそうあってほしい。 ただ、そこに…

水を飲む

ひとりの男が立っていた 畑の畦道の上で 車が通るたびに白い煙がまう道で 向こうの山は低くも高く さらにその上はいつもながらの青だ いつもながらの青だのに いつもながらの光があるのに その下にいる僕らは光沢を反射しない 先ほどまで艶やかであった暮ら…