死ぬのはあと一週間待ってほしい

 

「いつ死んでもいいと思っとるんよね」

誰がいったか僕がいったか いついったか

ほんまにそうかな不安なって考えた。

いや、そうでもないわ そこまで潔くはないさ

今日死ぬのちょっと早いわ

明日もちょっと いや結構嫌だ

たぶん そうだ あと一週間待ってほしい

今週いっぱい 待ってはくれまいか

土曜日には仕事終わりに一杯ひっかけたい

あの娘に会って 声聞いときたい 

台詞めいたこと言っちゃときたい

映画館のポイントカード貯まっとるし

使っときたい まだ映画決めとらんけど

読みかけの本が たぶん4冊ある

あ たぶん この私のスピードだと間に合わん

全部諦めて 好きな詩集繰り返し読もうか

声に出して 夜に 朝に なんべんも

手紙を出したんだ

たぶん 返事は来んけどね

けど もしかしたら

黄色いポストに青い便箋

落ちとるかもしれんから 

だから 待ってはくれまいか

それゆえ 待ってはくれまいか

死ぬのは あと一週間待ってはくれまいか

大したことはしないけど できないけど

 

いつ死んでもいいなんて

そんなことはない、な

って思って今日も夕暮 深夜 早朝 昼過ぎて

 

僕は素敵な無駄遣い 

嫌いになれない 一日が 昨日になった

好きになれない 一日が 今日になった

溜息が漏れた  靴下の穴から

伸びすぎた孤独が 少し笑っとる